広島市は、川と山の間に住宅地があるような、なかなかファンキーなつくりをしている。
自然が豊富と言えば聞こえがいいが、毎年のように土砂災害や河川の氾濫がある。
福祉職のため、在宅の高齢者や障害者が災害時にどうやって非難するかというのは、職場でも議題になったりするし、実際に数年前の災害に遭った人も居たので、できれば安全な土地でというのは重要視した。
そして、夫婦共実家が近く関係が良好なことから、住みたいエリアは実家近くで、且つ災害リスクが低めなエリアに限定した。
以後そのエリアをA区域と呼ぶ。
家を建てた友達等に聞くと「住みたいエリアがあったので、自分で足を使って1年以上探した。それで理想の土地に出会えた!」と言っていたので、まずそれを実行した。
A区域を朝も夜も時間が空いたらくまなく散歩をして、空いてる土地や誰も管理してなさそうな家をチェックして地図に残した。
同時に、異様な雰囲気がある場所や、環境が良さそうな場所、災害に遭いそうなポイントをチェックした。
管理されてないアパートやごみ溜めのような家が並んでいる場所があったり、なんとなくいつ行っても薄暗くてゴミが散らかってたり、言葉にならないイヤな雰囲気が漂っている場所は避けた。
グーグルマップでもなんとなくそういう雰囲気は分かるのだけど、行ってみるとさらに臭いや音、夜の雰囲気もあるので一番頼れるのはやはり自分の足だと思った。
防災マップは勿論チェックしていたけど、あまり危険そうな表示がない場所でも、土地の横で側溝がカーブしているとか(上から土砂や水が流れてきたらその土地に溜まる確率が高い)、小さくても谷になっているようなところも避けた。
気になるところは雨が強い日に行って、周辺の水の流れや土壌の様子もチェックした。
そして、静かだったり雰囲気が落ち着いていたり、災害のリスクが少ないところで、空き土地等をピックアップした。
夫の希望は「徒歩圏内にスーパーやコンビニ等の買い物施設があるところ」とのことで、これがなかなか苦戦した…というかほとんどなかったので軽く無視することにした。チャリ使え~
ここまででおよそ2か月。この間SUUM〇を毎日朝と夕にチェックしたが…やはりA区域と限定しているせいか出てくる土地がほとんどない…!
使えるものは何でも使おうと思って、A地域の地元の不動産会社3社にコンタクトを取った。
また、今住んでいるところの家主が不動産関係に強く、何度か相談させてもらった。
地元の不動産会社に個人でポーンと相談に行くのはなかなかハードルが高かった。
どうしても若造の個人相手だと丁寧に対応してくれるとは言い難いが…それでも何度か行くと「あの空き土地はマンションが建つことになった」とか「この土地が今度出そう」とか、ちょっとずつ情報を貰えるようになった。
なお、「良い土地が出たら電話しますよ」と言ってくれるところもあったが、地元の小さい不動産会社ではある程度信用してもらえるまでは一個人にすぐ電話が来ることはないので、やっぱり自分から通ってアピールした方が良い。
あと、土地を考える時に絶対知っておきたいのは道のことで、特に「面しているのが公道か私道か」と「家が建つ土地か」。
こんなの当り前のことではあるのだが、最初のうちはよく分からずウワー安い土地がある!すごい!くらいに思っていた。
意外と不動産関係者でも間違えることがあって、「最初家が建たない土地だと思って安く買い取ったら、よく調べたら家が建つ土地だったから儲けた」なんて話も聞いた。
そのくらい難しいパターンもあるみたいなので、やっぱり土地を決めて家を建てる会社を決める、より、まずは自分と一緒に土地のことも考えてくれる建築会社をしっかり絞って、「この土地ってどんな家が建ちますか?」と話せる関係を作っていた方が良い。
これが、不動産関係者は土地そのものについては詳しくても、その上に建つ家のことまではプロではないので、訊いても「分からない」と返答があることがある。自分達が求めているのは単なる土地ではなく、希望の家が建つ土地が欲しいのである。
家を建てると決めて、大体半年でこのような下準備を行った。
当然その間に良い土地が出たら決めたかったが、まだこの段階では「本当にこの土地は良いのだろうか?」と迷いがあったため、気になる土地や中古住宅自体はあったがなかなか決めるというところには至らなかった。
後で振り返ると、確かにこの時期でも良い土地、物件はあったが、この頃に焦って決めなくても大丈夫だった、とは思っている。
とにかく家を建てる会社を決めて、建てたい家の方向性を決め、自分たちが住みたいエリアの特徴を掴んでからはあとは地道な日々だった。
毎日朝と夕方にSUUM〇とat h〇meをチェック、定期的にエリア内を巡回して土地の状況を確認し、少し気になるところがあれば地元不動産会社を巡って情報を集める。
基本的に無駄骨になるが、結果的にこの積み重ねによって「このエリアのこれくらいの土地なら、これくらいの金額、こんな条件が相場」というのが身に染みて分かるようになった。
SUUM〇で土地情報が出てくると、住所が書かれてなくてもその写真1枚でどこか分かるくらいになり、無駄に問合せせずに済む。
また、転居後の土地勘も養われるのでこの経験は良かったと思う。